タカラジェンヌになれるのは必ず宝塚音楽学校を卒業した女性だけです。
宝塚音楽学校の1年目の生徒(下級生)を「予科生」と呼びますが、彼女らは一年間どうやって過ごしているのでしょうか。

入学してから上級生(本科生)になるまでの1年間の流れをご紹介します。

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予科生の年間スケジュール

まずは参考として、103期生と107期生の年間スケジュールをご紹介します。

今年2021年に初舞台を踏んだ107期生は、予科生時代はまだほとんど新型コロナウイルス禍の影響がありませんでした。
そのため、103期生と1年間のスケジュールはほとんど違いがありません。

103期生 107期生
予科 予科
4月 ・入学ガイダンス
・入学式
・自衛隊による団体行動の基礎訓練
・小林一三翁お墓参り
・課外授業
・入学ガイダンス
・入学式
・自衛隊による団体行動の基礎訓練
・小林一三翁お墓参り
5月 ・授業参観
・すみれ募金活動
・授業参観
・すみれ募金活動
6月
7月 ・前期試験
・終業式
・学年旅行
・夏休み
・前期試験
・終業式
・学年旅行
・夏休み
8月 始業式 始業式
9月
10月 募金活動 秋の募金活動
11月 秋の音楽会 ・秋の音楽会
・阪急すみれ会総会
12月 ・阪急すみれ会総会
・後期中間試験
・終業式
・冬休み
・後期中間試験
・終業式
・冬休み
1月 ・宝塚歌劇団拝賀式参加
・始業式
・宝塚歌劇団拝賀式参加
・始業式
2月 第102期文化祭 第106期生文化祭
3月 ・第102期卒業式
・後期期末試験
・終業式
・春休み
・第104期生入学試験・合格発表
・第106期卒業式
・後期期末試験
・終業式
・春休み
・第108期生入学試験・合格発表


入学式後は宝塚音楽学校に慣れるための期間

宝塚音楽学校の入学試験の合格倍率は例年20倍前後です。
超高倍率の試験をくぐりぬけた、容姿端麗で才色兼備なタカラジェンヌのタマゴたちですが、すぐに宝塚の舞台に立てるわけではありません。
タカラジェンヌになるために、まずは音楽学校でさまざまな訓練をします。

そして、まずは宝塚音楽学校に慣れるための準備期間が、入学試験のあとに設けられています。

●入学式前の自衛隊訓練もその一つです。
伊丹駐屯地から自衛隊を招き、予科生は集団行動の基礎を学びます。
立ったり座ったり歩いたり……という基礎訓練も行われますが、このときに学ぶ統率された歩き方などが宝塚歌劇での統一美につながります。


●入学ガイダンスでは、制服の着方や名札・校章の位置、予科生の心得などを本科生からレクチャーされるそうです。
名札は校章の1センチ下につけるなど、細かい決まりがあります。
これも、2年後の宝塚の舞台できれいに衣装を着るための訓練の一つです。

帽子の持ち方や音楽学校生としての歩き方、独特の話し方なども仕込まれます。

寝る間もないほど忙しい入学ガイダンスがあるから、入学式で予科生はピシッとそろった動きができるのです。


●入学式を済ませた予科生は、大阪府池田にある小林一三翁のお墓参りをします。

小林一三翁は、宝塚音楽学校と宝塚歌劇の創始者です。
予科生は小林一三翁の墓前に入学の報告をし、「清く正しく美しく」の校訓を守って立派な舞台人となる誓いを立てます。

初お目見え!すみれ募金

例年5月の終わりごろ、宝塚大劇場正面ゲート内で「すみれ募金」をします。
(雨天時は劇場構内で行います)
色とりどりの着物に緑の袴で、だいたい5人1組で募金活動への協力を呼びかけます。
募金をするともらえるのは昔はすみれの花(造花)でしたが、近年すみれの花の種になりました。

このすみれ募金が予科生にとっては初めてお客様の前に立つ機会です。
宝塚ファンが集まり、気になる音校生はいないかと青田買いをする人もいます。

宝塚音楽学校の生徒は、すみれ募金などを通じて、社会貢献にも取り組んでいるのです。

待ちに待った学年旅行

予科生の学年旅行は、通常は和歌山・白浜方面で、2泊3日の旅行です。

この学年旅行が予科生にとってはつかの間の癒しです。
普段指導を受ける本科生がいないので、気を張り詰める必要がないんですね。

宿泊先ではふだんの掃除場所ごとにチーム分けして余興をするなど、かなり弾けるようです。

秋の音楽会や文化祭では本科生を徹底サポート

秋の音楽会や文化祭では、予科生は本科生のサポートが主な仕事となります。
予科生は舞台裏の仕事で細かい部分にまで気を配ることが求められます。

文化祭では、プログラム販売、お客様の案内などで予科生が人前に立つこともあります。
舞台での出番はコーラス2曲のみですが、舞台裏の仕事でかなり忙しいようです。

先輩として仮本科による音校受験のお手伝い

文化祭が終わり、本科生が音楽学校を卒業すると予科生は「仮本科」になります。
学年としては1年目の予科だけれど、本科生はいない状態です。
まずは廊下を走るなどして、厳しい本科生のいない生活を満喫するのがお約束のようです。

仮本科生は、宝塚音楽学校の入学試験のお手伝いをします。
自分たちも去年とおった道なので、感慨深いことでしょうね。
受験の日には、めぼしい受験生にお菓子を渡すなどして応援し、入学後に自分の「分担」の目星をつけようとする人もいるようです。

宝塚音楽学校の合格発表のとき、「発表いたします!」とボードの前で声をかけるのは首席の役割だそうですよ。

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